ビーチを歩いて経費節減?
いきなりネガティブなスタートですが、ハワイはアメリカ合衆国の中でも特に物価が高いことで有名です。
特に、筆者がハワイで生活を始めたころは、基本的な生活用品をそろえるために、色々と悩み、そして工夫しました。
経費節減の最たるものの一つが自家用車の放棄というわけです。
さて、そんな節約モードで生活していたある日の夕暮れ、友人とワイキキビーチを歩いておりました。
ロイヤルハワイアンホテルははじめ、名だたるホテルが並ぶワイキビーチに寝転ぶ観光客も、そろそろ帰り支度が始まっていました。
楽しく過ごしたビーチには、砂のお城の残骸や、空になったサンタンローションのボトル、片方だけになったビーチサンダルなどがポツポツと落ちています。
ふと波打ち際に目を移すと、そこには置き去りにされたホテルのビーチタオルが、今にも波にさらわれそうになっていました。
友人が「ほら、見て。またタオルが海にさらわれそうになってる。」と言って、そのビーチタオルを指差しました。
「こんな大きなタオルが海に流れたらよくないよね。だから、私はこういうタオルを見つけたときには拾っているのよ。」と言います。
確かに、それはそうだよね。と、私も同意し、彼女について、波打ち際に落ちていたタオルを1枚拾いました。
特徴的な色、柄のタオルは、どのホテルのタオルか、すぐにわかります。
私は、彼女はそのタオルを持って、当然、ホテルに持っていくのだろうと思いました。
しかぁし、あにはからんや、その友人は、そのタオルを持ってビーチの端に設置してあるシャワーに行き、タオルの砂を払いながら洗い始めたのです。
親切な友人はわざわざ、砂を払ってあげるんだ~と、感心して眺めていましたが、おおかたの砂が落ちると、彼女は私に絞るのを手伝わせ、最後に、「ほら、これでタオル1枚、買わなくて済んだでしょ?」と言って私に渡すのです。
「えぇ~!、これホテルに返すんじゃないの?」と驚いて聞くと、「1枚ぐらいいいのよ。私たちが拾わなかったら無くなってたものなんだから!」、と平然としています。
「そういうのありですか?」と聞くと、「ありです。海にも良いことをしているのだ」と、彼女は普通の顔をして言います。そうか、ありなんだ。
という訳で、実は筆者たちは、もう1枚、違う柄(ホテル)のビーチタオルを拾って洗いました。
今でも、その2枚のビーチタオルは、我が家の浴室にかかっています。
拾った時点で、すでにかなり色褪せしたタオルでしたが、さらに、我が家で酷使された結果、今はバリバリに固いタオルとなり、思い切り、水を吸う「使えるヤツ」になっております。
こそ泥とあまり変わらない醜態であり、使うたびに「あぁ~、何だかなぁ」とは思うものの、変な愛着があり捨てるに捨てられなくなっております。
みなさま、海は綺麗に使いましょう。
そして帰るときには、忘れ物をなさいませんように!